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蘭璽メルマガ24年3月号:【社内不倫を理由に雇用契約を解除できるか】
2024.03.31 発行 3月号~
皆様
こんにちは!
上海迈伊兹兰玺人材咨询有限公司の向井蘭です。このレターは、弊社の谷、向井、龚がこれまでに名刺交換させていただきました皆様にお送りしています。毎月、中国における人事や労務の話題をお送りしておりますが、もし配信不要の場合、下記のアドレスへご連絡ください。
またバックナンバーは、弊社HP(http://myts-hr.com/column.html)にございますので、是非、ご確認ください。
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1 社内不倫を理由に雇用契約を解除できるか?
日本では芸能人の不倫や異性関係が連日テレビ番組等を賑やかしています。世界中どこでも起きうる問題で、中国の職場でも同様です。ちなみに日本では社内不倫を理由に解雇することは原則としてできませんが(多くの裁判例で解雇無効)、中国ではどうでしょうか。珍しい裁判例がありましたのでご紹介いたします。
2 事例
田は2005年8月に浙江省のある製造業を営む会社に入社し、2019年1月から課長を務めていました。李小燕は田の部下でした。
2021年9月27日、李小燕の夫の王小文と王小文の妹の王芳は、田が李小燕と不適切な関係にあることを名指しで会社に報告し、会社の指導部に確認と対処を求めました。
2021年9月29日、会社は「田課長は在職中、道徳に反した行為を行った。 上記の従業員の行動は、会社の規則に著しく違反したものであり、従業員就業規則第3章第16条第12号に定められている解雇事由「会社施設内でのギャンブル、飲酒、迷惑行為、暴力行為、わいせつ行為」に当たる」として、田を解雇しました。
田の解雇前の平均月給は22,876元でした。
李小燕は、田と不適切な関係にあったことを認め、両者が出会って不適切な関係になったときから、家族が会社に苦情を申し立て、事件後に解雇されるまでの経過を述べ、田の自宅まで何度かタクシーに乗った記録を提出しました。
同社の従業員である李斯と田との通話記録では、田宝光は最初、李小燕との不倫関係を認めましたが、その後、田は友人関係にあったと不倫関係を否定しました。
2021年10月28日、田は労働仲裁を申請し、違法な雇用契約解除の賠償金として法定の2倍の43万2,456元を支払うよう会社に要求しました。
労働仲裁は田の申立を認めませんでした。田は納得できず、裁判所に訴えました。
3 判決
一審二審法院:【解雇有効】企業管理者として在職中に部下と不適切な関係を持ち、重大な規則違反を犯したため解雇は有効である
一審二審裁判所は、本件の争点は、会社が田を解雇した行為が適法であったかどうかであるとし、田は会社の従業員である李斯との電話記録で李小燕と不倫関係にあったことを認め、李小燕も田と不適切な関係にあったことを認め、その経緯を詳細に述べており、タクシー記録、報告書、目撃証言から、田と李小燕が不適切な関係にあった事実を認定しました。
田は企業の管理者として、在職中に部下と不適切な関係を持ち、規則制度の重大な違反を犯したため解雇は適法であると判断しました。
4 実務上の留意点
なかなか従業員側に厳しい判決内容です。経済補償金の金額がかなりの金額なので、解雇をされてかつ0元というのは気の毒な気もします。
この事例の就業規則は、明確に社内不倫を禁止したわけではありませんが、社内で不倫関係を持つこと自体が明文にある会社施設内の「わいせつ行為」と場合と同様に社内秩序を乱すと考えたものと思われます。社内不倫で社内に揉め事が起きた場合、様々な事情を考慮して、退職勧奨(拒否されたら解雇)を行うかを判断することになります。
事件番号:(2022)浙02民終2**4(当事者仮名)
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