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蘭璽メルマガ23年12月号:【退職慰留リスクについて】
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【退職慰留リスクについて】
2023.12.26 発行 12月号~
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皆様
こんにちは!
上海迈伊兹兰玺人材咨询有限公司の向井蘭です。このレターは、弊社の谷、向井、龚がこれまでに名刺交換させていただきました皆様にお送りしています。毎月、中国における人事や労務の話題をお送りしておりますが、もし配信不要の場合、下記のアドレスへご連絡ください。
またバックナンバーは、弊社HP(http://myts-hr.com/column.html)にございますので、是非、ご確認ください。
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1 退職慰留リスクについて
今回は、退職届提出後、会社が慰留をしたことにより、権利関係が曖昧になり、最終的に法定の二倍の経済補償金を支払わなければならなくなった事例をご紹介します。
2 事例
高は2017年4月24日にA会社に入社し、双方は書面の労働契約を締結し、その退職前12ヶ月の平均賃金は人民元28000元でした。
2018年10月25日、高は「辞任届」を提出しました。記載されている辞任事由は「個人的原因」で予定退職日は12月31日でした。
ところが、高も会社も離職手続きを行わず、正常な出勤を継続しました(高は辞職届を提出した後、会社が慰留したため、仕事をし続け、辞任届は無効になったと事後に主張しました)。
2019年1月2日、会社は高に「離職通知」を発行しました(どうやら会社と高で12月頃にトラブルがあったようです)。高は、2019年1月3日、「自分は会社を辞めていない。会社は自分を違法解雇した」と主張しました。
3 判断
高は労働仲裁を申請して、会社に違法な解雇に伴う経済補償金112,000元を支払うことを要求しましたが、仲裁委員会は支持しませんでした。
高はこれを不服とし,訴訟を提起しました。
一審裁判所(二審もほぼ同じ)は以下の通り判断しました。
従業員が辞任届け提出した後、会社は合理的な期限内に辞任届を処理しておらず、その後従業員は引き続き労働を提供し、双方は労働契約の履行を継続することで合意し、退職届は無効となったとみなさなければならない。高が辞任届を出した後、会社は少なくとも30日以内に明確な回答をすべきである。双方が労働契約の履行を継続していることから、会社は2019年1月2日に正当な理由なく契約を解除したとして、これは違法解除となり、会社は高に対し、違法解除に伴う経済補償金を支払わなければならない。
4 留意点
労働契約法第37条,労働法第31条はいずれも,労働者は30日前に書面で使用者に通知すれば,一方的に解除することができると規定しています。
高は「辞任届」を明確に撤回していないわけですから、法的には本来「辞任届」記載の通り12月31日に退職することになると思います。本件では、会社側が「辞任届」に記載があった総経理の退職同意のサインを後から偽造した疑いが強いようで、特殊な事例とも言えます。
もっとも、この種の退職慰留の事例は揉めることが多いため、慰留するのであれば慰留する、退職させるのであれば速やかに退職手続きを取ったり、退職承諾の書面やメールで通知するなどしてトラブルに発展しないようにする明確に手続きを進める必要があります。
案号:(2020)粤03民终4353号
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