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蘭璽メルマガ23年11月号:【従業員が離職した後でも、在職中の残業代を会社に要求できるか??!】
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【従業員が離職した後でも、在職中の残業代を会社に要求できるか??!】
2023.11.30 発行 11月号~
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皆様
こんにちは!
上海迈伊兹兰玺人材咨询有限公司の龚骁毅です。このレターは、弊社の谷、向井、龚がこれまでに名刺交換させていただきました皆様にお送りしています。毎月、中国における人事や労務の話題をお送りしておりますが、もし配信不要の場合、下記のアドレスへご連絡ください。
またバックナンバーは、弊社HP(http://myts-hr.com/column.html)にございますので、是非、ご確認ください。
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中国の従業員は、在職中に不利益を被っても、会社に何も話さず、離職した後に会社を訴えることがよくあります。法律では、時効以前であれば、離職後でも従業員が被った損失を追及する権利が認められています。ただし、すでに離職した従業員に対し、損害賠償金などを支払うと、会社の経営管理に狂いが生じますので、適切な対策により、こうしたリスクを回避することが望ましいと考えられます。これに関して、最近以下の判例がありました。
会社と従業員が「労働契約解除協議書」を締結し、締結日をもって双方の労働契約関係を解除することを約定しました。協議書に経済補償金の金額や支払う予定の給与金額も明確に記載しました。特に、以下の文言が記入されていました。
乙は給与、社会保険、経済補償金について、すべて確認し、異議を持たない
甲が約定した金額を支払った後、甲乙双方間の権利義務はすべて終結し、乙は甲に対し、経済補償、弁償金、労働報酬、社会保険などについて、如何なる時期、形式でも主張してはならない
しかし会社が約束した金額を振り込んだ後、従業員は仲裁を提起しました。求める弁償は労働契約未締結期間における給与2倍との差額15万元、及び残業代の2.6万元です。仲裁所は従業員の訴えを支持しなかったため、従業員は裁判所に提訴しました。
一審判決では、「労働契約解除協議書は、双方の自由意思で締結されたもので、法律にも抵触していないため、有効であり、双方はこれを履行すべきである。従業員の訴求は全て、協議書締結以前に発生したものであり、当従業はその他の労働争議の当事者になった経験もあるため、自身が享受できる労働権利を熟知している。それにもかかわらず、「双方間の権利義務関係が終結する」と明記された協議書を締結することは、自ら権利を放棄したものと見なされる」と意見しました。そして、「従業員は協議書を締結した後、短期間で訴訟を提起しており、これは信義則に反するものである」として、従業員の訴求を却下しました。
従業員は一審判決を不服とし、二審にも告訴しましたが、二審でも同じ理由で、会社側の勝訴としました。
ほとんどの日系企業は法規定通りに労務管理をしていますので、今回紹介した判例のような極端な事例に遭遇することは稀です。とはいえ、できるだけリスクを回避するためには、「離職確認書」や「定年退職確認書」などに、「離職日をもって、双方間の権利義務関係がすべて終結する」と明記することが望ましいと考えられます。中国はますます契約を重視する社会になってきていますので、従業員の署名があれば、相応する責任を負わなければなりません。
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このレターは、弊社の谷、向井、龚がこれまでに名刺交換させていただきました皆様にお送りしています。毎月、中国における人事や労務法務の話題をお送りする予定ですが、もし配信不要の場合、下記のアドレスへ、不要とご連絡ください。
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上海迈伊兹兰玺人材咨询有限公司
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