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蘭璽メルマガ23年9月号:【遅刻早退30分以上の場合は半日の無断欠勤、遅刻早退3時間以上は1日の無断欠勤とみなすことはできるか?】
皆様
こんにちは!
上海迈伊兹兰玺人材咨询有限公司の向井蘭です。このレターは、弊社の谷、向井、龚がこれまでに名刺交換させていただきました皆様にお送りしています。毎月、中国における人事や労務の話題をお送りしておりますが、もし配信不要の場合、下記のアドレスへご連絡ください。
またバックナンバーは、弊社HP(http://myts-hr.com/column.html)にございますので、是非、ご確認ください。
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遅刻早退30分以上の場合は半日の無断欠勤、遅刻早退3時間以上は1日の無断欠勤とみなすことはできるか?
1 繰り返し問題になる遅刻、欠勤のみなし規定
今回は、遅刻欠勤のみなし規定について取り上げます。実は2019年7月号においても取り上げましたが、同じような裁判例がありましたので再びご紹介したいと思います。今でも日系企業の就業規則で見かけるものです。
2 事案
2004年8月1日、王はある会社に入社し、会計業務に従事しました。
会社が制定した「従業員就業規則」6条には、「遅刻又は早退30分以上の者は半日無断欠勤とし、3時間以上遅刻又は早退の者は1日欠勤とする。主管レベルは2倍の罰を与える。1年以内に累計3日間無断欠勤を行った者は書面で警告処罰を与え、情状が重い者は解雇処分を行う」との記載がありました。
2017年2月19日、王は「就業規則」を受領しました(サイン済み)。
2017年11月から、王は何度もタイムカード打刻後、無断で外出して勤務していない状況が続いていました。統計によると、2017年11月だけで、王の累計欠勤日数は11日に達しました(この点は争いがあります)。
2017年12月5日、会社は最終書面警告を送りました。
2017年12月6日、王は態度を改めませんでした(実際に欠勤したかは争いがあります)。
そのため、会社は「従業員就業規則」6条違反を理由に解雇処分を行うことをしました。
2018年1月4日、会社は労働契約の解雇決定を下しました。
3 判断
1審は以下の通り判断しました。
会社の就業規則6条は実際の遅刻早退時間以上に無断欠勤をみなし認定しており、明らかに労働者の責任を違法に拡大している。そのため、当該規定は不合理であり、本案の審理には適用できない。
実際に王が2017年12月6日に欠勤した事実は証明されていないため、服務規律に重大な違反をしたとはいえず本件解雇は違法解雇となる(2倍の法定経済補償金)。
2審も同様に就業規則6条は不合理であり、かつ王が無断外出した記録には王のサイン確認が無く、王が外出した事実も証明できていないとして、一審と同様に本件解雇は違法解雇であると判断しました。
4 実務上の留意点
このように就業規則には「内容の合理性」も求められますので、今回のような規定がある場合には解雇の根拠とすることができません。もっと、やり方を間違えなければこの事案でも解雇は有効になった可能性があります。例えば、ビデオ等で無断外出の記録を残し、その上で軽い懲戒処分から段階を踏んで懲戒処分を行っていれば解雇が有効となり得ました。皆様方も一度自社の就業規則を確認してみてもよいかもしれません。
事件番号 (2019)新01民終3981号
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