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蘭璽メルマガ22年1月号:【人事の仕事シリーズ20】人事制度と中期経営計画
2022.1.30発行 1月号~
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私どもにいただく「人事制度策定支援」のご依頼が、最近、ますます増えてきました。大変ありがたいことですが、本当に今のタイミングで人事制度策定の優先順位が高いのだろうか、と思ってしまうことがあります。
上海にはまだ、きちんとした人事制度をお持ちでない企業様が多数あるようですが、組織規模も拡大してきて、「そろそろ作らないと」とお考えになるようです。コンサルタントとしては、10人くらいの組織になったら「簡易制度」はあったほうがいいですね、50人規模なら、評価、処遇をきちんと体系化された方がいいですね、ということを申し上げています。
しかし、人事制度をお持ち出ない企業様に、案外共通される特徴が、「中期経営計画」も、作ったことがないということです。単年度の数値計画は当然お持ちですし、中には3年程度の数値目標は持っています、と言われる企業様もあります。しかし数値計画と経営計画は違います。「中期」は通常、3~5年位を指しますが、
1.中期的に売上、利益をどのように拡大していきたいのか?
2.そのためにどのような商品をいつ投入するのか?
3.同様に、どのような顧客層を開拓していく必要があるのか?
4.上記の活動を、どのような組織形態で推進するのか?
5.その組織を運営するための人材をどう確保、育成するのか?
というような項目を検討し、少なくとも「机上では」これで勝てる!と思えるプランに仕上げることが、「中期経営計画」であると思っています。
人事制度は、この中の5.が明解になって初めて、意味のあるものになりますので、1.~
4.がない状態で、現状の人事的な問題(例えば、古参社員と新人の給与が逆転している)や、社員の不満(頑張っているのに給与が上がっていかない)などをベースに、とにかく納得できる制度を、というような流れで間に合わせの制度を作ってしまうと、運用に経営の意思が入ってきません。
社員の側も、何となく形になった制度、という程度では、また別の不満を言ってきたりと、問題解決に繋がりません。前を向いて成長していくための制度ではなく、不満を解消するための制度では、際限なく次の不満が出てきます。
弊社では、制度策定のご支援時、必ず「5年後にどのような会社になっていたいですか?」とお聞きしています。数十ページもの大がかりな中経でなくとも、A4数枚に方針をまとめていくだけでも良いと思います。是非、制度策定に先立って、中経策定をお考えください。
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【執筆者紹介】
谷公爾 Tani Koji 札幌生まれ、茨城育ち
広島大学工学部システム工学科中退、神戸大学経済学部卒、上海在住、満55歳
2003年から中国ビジネスに関わり、まもなく20年になろうとしています。戦略立案や営業強化などのコンサルティングを得意としてきましたが、せっかくの戦略が思った通りに遂行されない組織の問題に多く直面し、現在では人事組織強化のご支援が全クライアントの半数を超えるようになってきました。組織が変わり、業績が上がり、人材が元気になる。そんな企業作りをお手伝いしたいと思っています。